●インプラント治療とは インプラントは失われてしまった歯根の代わりに、顎の骨へチタン合金の歯根を埋め込む(埋入)治療法です。その土台の上に人工の歯を装着することで、自然の歯と変わらないかみ心地を実現します。インプラント治療には以下の特徴があります。 ◆インプラント治療のメリット @残っている健康な歯に負担をかけることなく、天然歯と同様にしっかり噛むことができます。 A顎の骨にも力が伝わるため、骨が吸収されません。歯が抜けますと、歯を支える骨は徐々に吸収されていきます。 B見た目も自分の歯と見分けがつかないくらい自然に仕上がります。 Cインプラント義歯の場合は、しっかりと固定されるため、すべりやずれがありません。 D歯を失ったことによる、審美性の喪失など、さまざまな制限や不快感から開放されるので、自信や積極性が回復され、心理面でもプラスの効果をもたらします。 ◆インプラント治療値段表 @インプラント体埋入手術 一本 138000円から188000円 ジルコニアアバットメント代込 サージカルガイド・ジルコニアアバットメント(インプラントの土台)込みになります。 A骨造成、骨再生手術 35800円から85800円 B血液検査 9800円 C超音波治療 3700円 上部構造体 (インプラント喪失の原因の8割はインプラント歯周炎です。ジルコニアは生体親和性が高いため、歯周組織に良好な影響を与えます。そのため、当院ではジルコニアアバットメントを使用しています。) セラミッククラウン 70000円 ハイブリッドクラウン 37000円 インプラントを一本埋入した場合の最小値段構成例 インプラント体埋入 138000円 血液検査 9800円 超音波治療 3700円 ハイブリッドクラウン 37000円 合計 188500円 となります。 ただし、上記価格はあくまでも目安になります。詳しくはご相談ください。 |
金属とジルコニアの土台の違いについて インプラントに装着する、歯の土台部分をアバットメントと呼びます。一般的にはメタルアバットメントが使用されますが、近年ジルコニアを用いたアバットメントが徐々に増えてきました。ジルコニアはチタンに比べ、 @汚れや細菌が付着しにくいといった衛生面で優れている。インプラント歯周炎になりにくい。 Aセラミッククラウンと併用することで、内部の金属色を反映させることのない、光を透過する美しい仕上がりを実現できる。 故に前歯部など審美性が要求される歯ではジルコニア製アバットメント使用をお勧めします。 Bジルコニアは歯ぐき、歯肉との生体親和性(歯茎と相性が良い)が良いため、インプラント歯周炎の予防に有効である。(インプラント歯周炎の罹患率は85%) また、インプラント治療では清掃性の面から意図的にアバットメントを若干露出させる場合があります。また、時間の経過とともに歯ぐきが衰えアバットメントが露出したりすることもあります。このような場合でもジルコニアなら歯と歯ぐきの境目に金属色が露出することがなく、美しさを保つことが可能です。 |
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インプラント2次手術後 歯肉が治癒した所 |
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IPS e.max CADを用いた、ワンピース セラミック冠 (土台とうわ物のセラミックが一体化した物) |
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実際に試適したところ |
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装着時 歯肉とインプラントはセラミックスによって接しているため、プラークが付きにくく、歯周病を予防できるだけではなく、金属の土台ではないため審美性にもすぐれており、生体親和性の観点からも金属の土台と比べると優れているといえます。 |
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インプラント開窓時 |
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ジルコニア 土台装着時 (ジルコニアインプラント土台は、歯肉の境目にプラークが着きにくく、親和性が高いため、インプラント歯周炎になりにくいです) |
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ジルコニアインプラント土台本体 (インプラント本体に、ジルコニア土台を入れ、ねじで固定します) |
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eーMax連結冠装着時 |
◆インプラント治療のデメリット インプラント治療は欠損補綴(歯がなくなった場合)の非常に有用な治療方法です。残念ながら、一部マスコミの報道から、インプラントは危険な治療法だと思っている方もおられるのも事実です。しかし、北米、北欧においては、歯が欠損した場合はインプラント治療を行うのが標準的な治療法となっています。 しかし、メリットだけではなく、デメリットもあるのも事実です。デメリットについて、下記の通りお説明します。 |
@比較的、高額の費用がかかります。ご存知の通り、インプラント治療は保険診療で認められておりません。CT、外科手術、インプラント材料自体が高い精度を必要し、かぶせ物や上質の材料が必要となります。初期投資も非常に高額であり、どうしても高くなってしまいます。(但し、口腔癌術後の機能回復・口腔再建手術については、歯科インプラント治療が保険適用されております) Aインプラントは天然歯と比べて、歯周病(インプラント歯周炎)にかかりやす傾向があります。そのため、当院ではインプラント専用のスケーリングチップ及びエピオス(次亜塩素酸水:HCLO)にて定期的なメンテナンスを行っています。 インプラント歯周炎は私の大学院、勤務医、現在にわたり私の研究課題となります。 ご興味がお有りな方は、ご参照ください。 ◎文部科学省 科学研究費 助成事業 Researcher Name Resolver ID:1000030711840 材料-上皮組織間の組織学的評価を行うための簡便なin vitro試験法の確立 ◎論文 Nano Biomedicine Vol. 4 (2012) No. 2 p. 76-84 Evaluation of Adhesion between Material and Epithelium using a Three-dimensional Human Epidermal Model |
B治療期間が長い 治療期間が他の治療に比べて長くかかります。治療期間は最短でも、おおよそ2か月から6か月ほどになります。インプラントの本数が多い場合や骨を増やす手術もおこなう場合などでは、1年以上になることがあります。 当院では、京セラ製のファインシア(HAコーティングインプラント)とZimmerインプラントを使用、PRPやCGFなどの血小板由来の骨成長因子を用いた増骨再生治療、超音波骨折治療器を導入し、可能なかぎりインプラント治療期間が短くなるように努力しています。 Cインプラント治療を受けるにあたり、注意しなければならない疾患。 重度歯周病の方。インプラントは上記記載にあるように、インプラント歯周炎に罹患しやすいため、インプラント治療前に徹底した歯周病治療を行います。 糖尿病、骨代謝疾患(ビスホスホネート系薬を服用されている方)、リウマチ性疾患をお持ちの方はインプラント治療の結果に影響を及ぼすため、上記疾患が十分にコントロールされているがどうか、判断した後に治療を行います。 循環器疾患、内分泌疾患、腎疾患、血液疾患をお持ちの方は、インプラント外科手術が可能かどうか十分なコンサルトを行います。 ●インプラント治療ができない方 20〜22歳未満の方は、まだ顎の成長期のためインプラント治療はできません。 腎臓透析を行っている方。 チタンアレルギーの方。非常にまれであり、学会報告案件です。 |
●インプラント治療の歴史、あれこれ 義歯(いれ歯)は教科書上では天然歯(ご自身の歯)と比較して四分の一の咀嚼機能(噛む能力)しかないと言われています。言い換えれば、どんな名医の作った入れ歯でも天然歯と同様に噛めることはできないということです。 近代歯科医療はフランスで発祥し、主にアメリカで発展してきましたが、義歯に関してはほどんと新しい技術が生まれていません。つまり、これ以上、発展が望めない治療法なのです。また、保険医療では義歯治療は義歯を安定されるための、様々な装置が認められておらず、最小限の機能回復(咀嚼能力・審美性の回復)しか望ません。 19世紀に入り、義歯治療の限界が認知されて以来、様々な人工歯根が試されてきました。金、ポーセレン、弾性ゴム、サファイアインプラントなどです。しかし、上記のインプラント材料は生体から異物と認識され、骨と結合することはありませんでした。つまり失敗だったのです。 しかし、1970年代、Branemark博士が偶然にチタンと顎骨が結合することを発見したことにより、歯科インプラント治療は目覚ましい発展を遂げ、現在では欠損補綴(歯を失った場合)の治療法の第一選択はインプラント治療となりました。(日本の場合においては、保険医療でインプラント治療は認めらていないため、義歯治療がメインとなっています。) |
当医院では、インプラント治療に入る前に血液検査・CT・パノラマレ線による検査をします。 パノラマレントゲン検査の骨粗そう症のソフトにて有無の判定するのと同時に 血液検査でも、患者様の現在の健康状態をみます。糖尿病などの生活習慣病の有無を確認します。BAP(骨造成マーカー)NTX(骨吸収マーカー)を検査することで骨粗そう症の確定診断を行います。自費のためすべての検査を行うことができ、腫瘍マーカーなども検査します。 CTによる検査は、顎の骨が人工歯根を埋めるだけの骨量(顎の骨の高さ・厚み・密度)があるかどうかを判断するために検査します。 また、CTの写真上でインプラントを埋めたときのシュミレーション画像が作れ適否を目で確認することができます。 万が一、骨量が少ない場合でも当医院では患者さんご自身の血液を採取して血液から増骨成分を抽出し、インプラント治療に適応するように顎の骨を増やしますので、ご安心ください。 |
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●メディフュージ MF200 上記に記載した骨造成を行う際に使用します。 患者さま、ご自身の血液を採取し、silfradennt社製の遠心分離機にかけて、血小板とフィブリンを多く含んだPRFとかCGFと呼ばれるゲル状のものを作り出します。 PRF、CGFは骨の再生を促進させる活性因子が含まれており、骨再生医療に使用します。患者様ご自身からのものですから、副作用もなく安全性に問題はありません。 |
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骨の高さ幅がないため増骨(GBR)を行う |
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上顎洞ていに穴を開けてCGFと人工骨を入 れソケットリフトを行うと同時にインプラントを植立 |
●超音波骨折治療器 オステオトロンD2 LIPUS(Low Intensity Pulsed Ultra Sound:低出力パルス超音波)が骨折部位の骨の形成を促進することから、整形外科領域にて元々使用されていました。 オステオトロンD2は歯科用に改良したもので、骨の癒合を促進させる超音波骨折治療法により骨癒合期間を約40%短縮するといわれています。インプラントの治癒を促進するために用います。約20分間、口に当てておくだけで痛みなどは全くありません。 |
伊藤超短波(株)の話によりますと、日韓サッカーワールドカップに出場に間に合うように英国のベッカムはこの器械で早期に治って出場ができたそうです。又、日本の各野球球団も選手たちの微小骨折を治すためこの器械を持っているとのことです。 |